2010年8月31日火曜日

第50回伊達ももの里マラソンに出場してきました。(2)



(つづき)



■ スタート~ゴール



 ゆるやかに、本当に緩やかに周りのランナーがペースを上げていく。とりあえず誰かを目標にして、ついていこうと目をやると、「錦秋湖マラソン」Tシャツを着ている70代とおぼしき男性の方がいる。嫁に「あの人についていくよー」と合図を送り、ペースを上げていく。



 伊達ももの里マラソンの公式ページでは、

日本陸連公認コース(10キロ)で、比較的平坦なペース配分のしやすいコースです。また、市街地、住宅街、官庁街、のどかな田園、果樹畑など景色の変化が楽しいコースです。

 と、書いてあるんだけれど、結構アップダウンあるよ?実際に計測してみた下記のコース詳細をみてみるとわかると思います。(View Elevation をクリックすると高低差がわかります。)





 とはいえ、高低差があるおかげで、自分の前にランナーがずらーっといる光景が見えるわけですよ。ああ、お祭りなんだなこれは、といい意味で緊張がほぐれるとともに「やべえ、こうやって大人数で走るのはなんか楽しいぞ!」とテンションも上がってきます。



 1km も走ると、消防署が見えてくる…というより、消防車がランナーにシャワーを振りかけている光景が見えてきます。毎年恒例のようですが、熱中症対策には凄く効果的だなあと思いました。折り返しのランナーたちが水をはね上げながらも気持ちよさそうに水を浴びてる姿はなかなかセクシーですね。



 2km。この辺りからだんだんみんな無言になっていきます。確かに、最初の3kmってきついんですよ。「なんで俺こんなことやってんだ…」とか「ああもう帰りたいわー」という気持ちがピークになるのが最初の2kmとか3kmなんですよ。そんな気持ちになっていた頃、地元の人たちによる伊達太鼓の演奏がちょうど聞こえてくるんです。その勇壮なメロディ!がんばれー!なんて声かけてもらっちゃったりしてね。凄く励みになります。



 3km。とにかく暑い。温度は30度を余裕で超え、風は若干あるものの首から上が焼けるよう。給水ポイントで水をもらったりスポンジに含んだ冷たい水を渡してもらったり、私設?シャワーポイントで水を浴びたりしながら暑さを逃がしていきます。コースの反対側にはエイドステーションが見えました。スイカ、モモなどが冷え冷えになっているのをみて…ゴクリと喉が鳴ります。



 4km地点でようやく本調子。一か月ぶりくらいの昼Run なのにすこぶる調子がいい。コレはがんばれるんじゃね?と思った瞬間、前方から氣の抜けた歌声が。「ないっ ないっ がーんばーらないっ!」 70歳代くらいのおじいちゃんが、伊達太鼓のリズムに合わせて「頑張らないソング」を歌っていました。いやいや、がんばらないと我々完走できませんから!とか思いながらも、そのひょうきんな歌声に私も嫁さんも周りのランナーも若干和みました。あ、結果的にこのおじいさんは、私たちより早くゴールしましたよ。がんばらないってすげえ…。



 5km地点で異変。嫁さんが「…ぎもちわどぅい」とのこと。10kmランニングをすると大体このあたりで文句を言いだすのはいつものこと。ふと気づけば周りからも「もーやんだ!」「あたしこれ以上走れない!」などなど不平不満が聞こえてくる。手持ちの VAAM をのませつつ、少しスローダウン。いつものこととは言いながら、さすがにこの気温、この太陽。本気でやばかったら棄権だな…と思いつつ目をやれば折り返し地点。「ほら、折り返し地点だよ!いこうぜー!」と励ましつつ折り返す。がんばれ嫁。



 6km地点。アップダウンの繰り返しが徐々に体力を奪い、首・肩の暑さは半端ない。とはいえ、少なくとも2km地点に一回は給水ポイントがあるのが救い。冷たい水を含んだスポンジをもらって頭からかぶったり、シャワーを浴びにいったりと何とか体温を下げながら頑張る。



 シャワーに関しては、事前に「そういうものがある」という情報は得ていたため、iPhone を Ziploc で保護して参戦。これで iPhone が壊れたら iPhone4にするしかねえな…と思っていたのだけど、まったく濡れずに、かつ、操作も可能でした。シャワーを用意してくれる大会で iPhone 使おうという人には Ziploc マジオススメ。



 7km地点。嫁さんが「足が…動かない」とのこと。かといって足を止めたら多分、再起は無理だろうなあ…と判断。500mほど歩くことに。ゆっくりでいいから足止めるなーと励ましながら自分の体力を振り返る。意外に体力は有り余ってる。それをみた嫁さんが「先に行ってー」と言うも、残念ながら我々は夫婦であってだな、二人一緒でゴールしないと意味がないわけだよ、ということを言い合いながら7.5km地点からまた走りだす。後ろを振り返ると…「最終」ゼッケンの人が遠くに見える。つまり…関門はすべて、無事に通過できたってこと!



 8km地点。待望のエイドステーション(食べ物処)。スイカ…は今食ったら吐く、モモ…おいしそうだけど甘すぎて多分死ぬ。うーむと思っていたら「ほれ、梅干!おらいのばっちゃのくれっから!(訳:ほら、梅干あるよ!うちのばあちゃんが漬けた奴あげるから!)」と誘われたので梅干をパクリ。あら、程よい甘さと塩分。コレで勝つる!同時にレモン水を引っ掛けつつ、嫁さんの様子をみると力なく首を振っている。とりあえずレモン水を押しつけ、あと2kmだと励まし合う。



 9km地点。沿道の応援の人たちも増えてきて、がんばれがんばれ言ってくれる。愛想良く返事しながら嫁さんをみると、目に光が戻ってる。あと少し、というのと、沿道の応援が大きく影響したみたい。あと1km、手をつないでゴールしようぜ!ここまでくれば絶対完走できるって!と言いながら走る。



 ゴール近くには地元の高校の野球部員たちがボランティアとして集まっており、「もうすこしです!」「ふぁいとです!」「がんばってください!」とさわやかに誘導&応援してくれる。もうすこし、もう少し…角曲がると、ようやくゴールが見えてきた。



 へろへろな嫁さんの手を取って、手をつなぐ。もともと、嫁さんは体が弱くてすぐ病気になったり熱を出したりする人。でも、がんばればそれら健康不安はいくらでも改善できて、このくそ暑い中10km走り続けることができるまでになるわけですよ。感無量とはまさにこのこと。両手を上げながら二人して「いやったー!!」と声を上げ、75分弱でゴール。関門に引っ掛かることなく、無事完走できたのでした。ぐっじょぐ俺ら。





■ ゴール後…



 ゴール後、Runners Chip を外して荷物を回収し、スポーツドリンクをいただいて日陰で休憩。吹いても吹いても汗が出てくる。女性はともかく、走り終えた男性はほぼ例外なく半裸になっているので、公衆の面前で醜いボディをさらけ出すのもどうか…と考える間もなく半裸に。タイツ+上半身裸=江頭02:50 状態だけど知ったこっちゃない。塩熱飴を飲んだり、給水所で冷たい水をいただいたりしながら汗を拭く途中で冷たいシャワーがあることが判明。どれどれ…



05



 うおお、冷たいっ!わざわざ水を冷やしてくれているらしい。ホント、こういう細かいところにも気を使ってくれているのが伊達ももの里マラソンだよなあ。冷たいタオルを作って嫁さんに渡すとばっちり回復してくれたらしい。ありがたや。



 汗が落ち着くのを待って、身支度を整え、各種報告を終えたのは30分後くらいだろうか。お互いの健闘を讃えあうのもいいんだけど、まずはなんか冷たいもんでも食べようや…と、同時開催の物産店へ。



(つづく)



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